門松が三本である意味とは?本数の由来と歴史的な背景について

門松

門松が三本である意味とは?本数の由来と歴史的な背景について

お正月になると街のあちこちで見かける門松ですが、なぜ真ん中に竹が三本並んでいるのか、ふと疑問に思ったことはありませんか?

毎年当たり前のように見ている風景の中にも、実は古くから受け継がれてきた大切な意味が隠されているんです。

門松の三本にはどんな意味があるのか、長さが違う理由や、切り方、配置に関する正しいルールなど、意外と知らないことが多いですよね。

私自身も、お正月の準備をする中でこの由来や意味が気になり、いろいろと調べてみました。

この記事では、門松の三本に込められた深い意味や、地域ごとの飾りの違い、そして現代の住まいに合わせたおしゃれでシンプルな飾り方まで、分かりやすくまとめています。

お正月の伝統を少し知るだけで、新年を迎える準備がただの作業から「神様をお迎えするワクワクする儀式」に変わり、もっと楽しくなるかなと思います。

この記事を読んでわかること
  • 門松の竹が三本である理由や陰陽道の思想
  • 竹の長さの比率や荒縄の巻き数に込められた願い
  • 斜め切りと水平切りの違いや歴史的な背景
  • 現代のマンションでも楽しめる簡単な門松の飾り方

門松の三本が持つ意味と伝統的な宇宙観

ここでは、門松の主役とも言える「三本の竹」に焦点を当てて、その背後にある深い思想や歴史についてお話ししますね。

ただのデザインや見栄えではなく、実は壮大な祈りと宇宙観が込められているんです。

これを読めば、次に門松を見た時の印象がガラッと変わるかもしれません。

陰陽道から紐解く奇数の思想

門松の竹がなぜ2本でも4本でもなく「3本」なのか、気になりますよね。

実はこれには、古くから日本に伝わる陰陽道の考え方が深く関わっています。

陰陽道では、この世のすべての事象を「陰」と「陽」に分けて考えるのですが、数字においては2で割り切れる偶数は「陰」、割り切れない奇数は「陽」とされているんです。

つまり、奇数は「陽の気が満ちた縁起の良い数」として大切にされてきました。

門松の三本の竹は、この縁起の良い奇数を象徴する基本単位なんですね。

新年というおめでたい節目に、陽のエネルギーをたっぷりと取り込もうとする昔の人の知恵を感じます。

7対5対3の比率に宿る家族の調和

門松の竹をよく見てみると、それぞれ長さが違いますよね。

この長さにもきちんとした決まりがあって、基本的には「7:5:3」の比率で作られています。

先ほどお話しした陰陽道において、7、5、3は陽数(奇数)の中でも特に縁起が良いとされる数字の組み合わせです。

七五三のお祝いにも使われるおめでたい数字ですね。

この比率には、家族の秩序や生命の繁栄といった、徹底した吉祥への祈願が込められているんです。

単に見栄えを良くするためだけでなく、長さを変えることで立体的な調和を生み出し、家族の絆を表現しているなんて、とても興味深いですよね。

荒縄の巻き数とジェンダーの象徴

竹の長さだけでなく、それをまとめている「荒縄の巻き数」にも注目してみてください。

一番長い「7」の比率の竹には下から荒縄を7回巻き、一番短い「3」の竹には3回巻く、というように、竹の長さと縄の回数がリンクしていることが多いんです。

これらは実は、家庭内の役割やジェンダーを象徴していると言われています。

一番長くて7回巻かれる竹は「男性(父性)」を表し、家長としての力強さを意味します。

逆に一番短くて3回巻かれる竹は「女性(母性)」を表し、慈愛や豊穣の象徴とされています。

そして真ん中の「5」の竹は、男女や家族の絆を取り持つ「仲介者」の役割なんだとか。

門松は、夫婦円満や一族の繁栄を願う、立派な宇宙論の形だったのですね。

斜め切りのそぎが笑う門松の由来

門松の竹の切り口を見ると、斜めに鋭くスパッと切られているものがありますよね。

これを「そぎ(削ぎ)」と呼びます。

この切り方が生まれたのは戦国時代。

徳川家康が三方ヶ原の戦いで武田信玄に負けた際、宿敵の武田(竹田)に見立てて竹を斜めに切り落としたのが始まりだと言われています。

もともとは闘志やリベンジの表れだったんですね。

しかし、江戸時代になって平和な世の中になると、この斜めの切り口が大きく口を開けて笑っている「人の笑顔」に見えるようになり、「笑い口」と呼ばれるようになりました。

「笑う門には福来る」ということで、現在では一般の商店などで福を呼び込む縁起物として大人気です。

見るからに明るい雰囲気になりますよね。

水平な寸胴切りが秘める貯蓄の願い

一方で、節に合わせて真横に水平にカットされた「寸胴(ずんどう)」という切り方もあります。

実は門松に竹が使われるようになった室町時代から江戸中期にかけては、この寸胴の方が主流だったんです。

水平に切ると竹の空洞が見えず、しっかりと詰まった節が上に見えますよね。

この「中身が詰まっている」という見た目から、「お金が詰まる(貯まる)」「財産が逃げない」という縁起の良い意味に結びつきました。

そのため、金融機関や老舗のデパートなどでは、今でも斜め切りの「そぎ」ではなく、お金をしっかり守ってくれる「寸胴」の門松を飾ることが多いんですよ。

もし街中で見かけたら「あ、ここは寸胴だ!」とチェックしてみるのも楽しいですね。

六義園が寸胴の門松を選ぶ歴史的因縁

「そぎ」ではなく「寸胴」をあえて選ぶ場所には、深い歴史的な因縁が絡んでいることもあります。

その代表的な例が、東京都文京区にある美しい日本庭園、六義園(りくぎえん)です。

六義園の門前に飾られる門松は、伝統的に寸胴切りで統一されています。

これは、かつてこの庭園を所有していた岩崎家が、徳川家康の宿敵であった武田氏の末裔だと言われているからなんです。

家康が武田への恨みから始めたとされる「そぎ切り」を避け、自分の祖先を重んじるために、あえて伝統的な「寸胴切り」を厳格に守り続けているんですね。

歴史のロマンを感じるエピソードかなと思います。

門松の三本に込める意味と現代の飾り方

ここからは、門松を実際に飾る際の向きや配置、地域ごとの違い、そして現代の住まいに合わせた飾り方について解説していきます。

せっかくなら正しく飾って、歳神様(としがみさま)を気持ちよくお迎えしたいですね。

出飾りと迎え飾りが生む運気の方向

門松を一対(左右セット)で飾る際、三本の竹の配置によって「エネルギーの方向」が変わるってご存知でしたか?実は「出飾り(でかざり)」と「迎え飾り(むかえかざり)」という2つの置き方があるんです。

  • 出飾り:2番目に長い竹を左右それぞれ「外側」に向ける配置。病気や厄を外に出したり、子供の独立を祝ったりする時に使われます。
  • 迎え飾り:2番目に長い竹を左右それぞれ「内側」に向ける配置。福やお客様を内に呼び込むため、お店や一般家庭の標準として推奨されます。

ご家庭で飾る場合は、福を招き入れる「迎え飾り」にするのが無難で良いかもしれませんね。

雄松と雌松を正しく配置する陰陽和合

門松を左右に並べる時には、竹だけでなく一緒に添える「松」の種類にも陰陽のルールがあります。

家の中から外に向かって、左側には葉が固くて黒っぽい「雄松(おまつ=黒松)」を、右側には葉が柔らかくて赤みのある「雌松(めまつ=赤松)」を飾るのが伝統的です。

(出典:林野庁 北海道森林管理局『アカマツ(メマツ)』)

これにより、男女のエネルギーが結びつく「陰陽和合」を表しています。

また、関西風の門松で足元に紅白の葉牡丹(はぼたん)を飾る場合も、左に白(男雛)、右に紅(女雛)を置くという決まりがあるんですよ。

細部まで本当にこだわって作られているんですね。

関東風と関西風に見る地域ごとの意匠

門松のデザインは、関東と関西で全く異なるのをご存知ですか?旅行や帰省の際に意識して見てみると、その違いに驚くはずです。

地域特徴切り口の傾向
関東風足元を若松で囲み、藁(わら)でシンプルに巻く。上品で控えめ。寸胴(水平)が圧倒的に主流
関西風足元を割竹で筒状に巻き、梅や葉牡丹などで豪華に装飾。そぎ(斜め)が圧倒的に主流

関東は武家社会の質実剛健さを引き継いでいてシンプル、関西は商人の町らしく華やかで豪華なのが特徴です。

ちなみに、金沢や名古屋などの大都市圏は物流の歴史から関西風が主流だったり、京都では根のついた松を半紙で包む「根引き松」を飾ったりと、地域ごとの個性が豊かで面白いですよね。

マンションでもできるシンプルな飾り方

最近はマンション住まいの方も多く、「大きな門松なんて飾る場所がないし、管理規約で外に置けない」という方も多いですよね。

でも安心してください。

門松はもともと「歳神様の目印」なので、小さな松の枝が1本あるだけでも立派に役目を果たしてくれます。

玄関の外に置けない場合は、下駄箱の上など「玄関の内側」に飾るのがおすすめです。

その際は床に直置きせず、白い半紙やお盆を敷いて少し高い位置に飾るのが正しい敬意の払い方です。

100円ショップで手に入る折り紙や画用紙を使って、手のひらサイズの「ミニ門松」をお子さんと一緒に手作りするのも、お正月の雰囲気が楽しめてとても素敵かなと思います。

大切なのは、新年を清々しい気持ちで迎えようとする心ですね。

28日を推奨する設置と処分のマナー

門松を飾る時期や片付けるタイミングにも、大切なルールがあります。

一般的に、飾り始めるのは「12月28日」が最も縁起が良いとされています。

28は「八」が末広がりで、未来の繁栄を意味するからですね。

※絶対に避けるべき日:

12月29日は「二重苦(苦が立つ)」、31日はお葬式の準備を連想させる「一夜飾り」となり、非常に縁起が悪く神様に対して不敬にあたるため絶対に避けましょう。

片付ける時期は、関東では1月7日、関西では1月15日までが一般的です。

役目を終えた門松は、神社の「どんど焼き」に持っていってお焚き上げしてもらうのがベストです。

家庭ごみとして処分する場合は、新聞紙や半紙に置いて塩を振り清め、他のゴミとは別の袋に分けるなど丁寧な扱い方を心がけ、感謝の気持ちを込めて手放すようにしてくださいね。

門松の三本が持つ意味を学ぶ重要性

今回は、門松の三本の竹に込められた意味や、正しい飾り方について見てきました。

普段何気なく目にしているお正月飾りも、陰陽道や家族の絆、地域ごとの歴史など、知れば知るほど奥深い意味が隠されていることが分かりますよね。

こういった意味を知った上で門松を飾ると、単なるイベントではなく、新年への感謝と願いを込めた大切な儀式としてお正月を迎えられる気がします。

皆様もぜひ、ご自身のライフスタイルに合った形で門松を飾り、素晴らしい新年をお迎えくださいね。

※本記事で紹介した由来や費用感、処分のマナーなどはあくまで一般的な目安や風習に基づくものです。

地域や神社によってルールが異なる場合があるため、正確な情報は地元の自治体や公式サイトをご確認ください。

また、極めて大きな門松の処分等で迷われたり安全に不安がある際は、自己判断せず専門の回収業者や神社にご相談ください。