餅つきで9のつく日がダメな理由は?忌避される背景や縁起的な意味

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餅つきで9のつく日がダメな理由は?忌避される背景や縁起的な意味

年末が近づいてくると、スーパーやお花屋さんにもしめ縄が並び始め、お正月の準備でなんだかそわそわしてきますよね。

そんな中で、親や親戚からよく耳にするのが「お餅つきはいつがいいの?」とか「29日や大晦日は絶対に避けた方がいいよ」といった話題ではないでしょうか。

私も自分でお正月準備を本格的に始めるようになってから色々と調べているうちに、この「餅つきにおいて9のつく日がダメな理由」がすごく気になったんですよね。

実はこれ、単なる昔の人の迷信というわけではなくて、日本人が古くから大切にしてきた「言葉の力」や、新しい年を無事に迎えるための真剣な祈りが隠されているみたいなんです。

今回は、どうして年末のカレンダーで9のつく日にお餅を搗くのが避けられてきたのか、その背景にある縁起の考え方や、もし準備のタイミングがずれてしまったときの対処法まで、私が学んだことを皆さんとシェアしていきたいなと思います。

この記事を読んでわかること
  • 年末の餅つきで9のつく日が避けられる理由と歴史等背景
  • 干支や六曜などカレンダー上の吉凶と餅つきの関係性
  • 日本各地に伝わる少し変わったお餅の風習と意味合い
  • 現代の生活に合わせたお餅の保存方法や飾り付けの対処法

餅つきで9のつく日がダメな理由と忌避される言霊信仰

お正月の準備をカレンダー通りに進める中で、どうしても避けられがちなのが「9」のつく日ですよね。

ここでは、なぜ餅つきで9のつく日がダメな理由として語り継がれているのか、その根底にある「言葉の力」や、日本古来の信仰について深く見ていきたいなと思います。

苦持ちや二重苦を連想させる九日餅の由来

日本には昔から、発した言葉の音がそのまま現実の運命に影響を与えるという「言霊(ことだま)」の信仰が根付いています。

お正月に向けて年神様にお供えする鏡餅や、ハレの日に家族で食べるお餅は、とても神聖なものとして扱われてきました。

そのため、作る過程で少しでも不吉な言葉を連想させるような事柄は、徹底的に排除されてきたんですね。

「九」という数字が持つ言葉の響き

とくに「九」という数字の音は「苦(く)」につながるため、9のつく日にお餅を搗くと「家庭内に苦しみを搗き込む」、あるいは「苦を持ち越す(苦持ち)」と考えられていました。

これが一番有名な理由かもですね。

年末の29日などに作られるお餅は「九日餅(くんちもち)」や「苦餅(くもち)」と呼ばれて、神様にお供えする鏡餅としてはもちろん、普段食べるお餅としてお店で買うことすら避けるべきとされてきた歴史があるんです。

さらに「29」は「二重苦(にじゅうく)」とも読めるため、年末の忙しい時期であっても、この日だけは避けるというご家庭が多いのも納得です。

農業や林業にも共通する数詞のタブー体系

実はこの「4」や「9」といった数字を避ける風習は、お餅つきや年末年始に限った話ではないんですよ。

昔から続く農業や林業の作法でも、4のつく日や9のつく日に大根などの種をまいたり、木を植えたりするのは縁起が悪いとされてきました。

これらは「死葉(シナ)」や「苦葉(クナ)」を招いてしまって、作物が枯れたり不作になったりする原因になると信じられていたからなんです。

対象の数字・日にち避けられる主な作業連想される不吉な言葉(意味合い)
4のつく日(4日・14日・24日)種まき、植樹、家の基礎工事「死」を連想し、植物が枯れる(死葉)とされる
9のつく日(9日・19日・29日)種まき、植樹、お餅つき、刃物の購入「苦」を連想し、苦労が続く(苦葉・苦持ち)とされる

生活の糧である食べ物を作る上で、少しでも災いになりそうなものはあらかじめ避けておこうとする、昔の人たちの切実な生活の知恵やタブーの一環だったと言えますね。

言葉の響きをそれだけ重く受け止めていたことがよく分かります。

9月1日の朔日餅にみる例外的な農耕の伝統

「じゃあ、9のつく日は一年中ずっとダメなの?」と思うかもしれませんが、実はそうでもないんです。

ここが日本の風習の面白いところだなと思います。

例えば、伊勢神宮の「朔日(ついたち)参り」で知られる朔日餅の風習では、9月1日に「萩の餅(おはぎ)」を作って神仏にお供えし、秋の収穫を祝う伝統があります。

この季節の農耕行事においては、「9」という数字は避けられるどころか、自然の豊かな恵みを喜ぶ象徴になっているんです。

普段は気にならなくても、年末の極めて神聖な「年神様をお迎えする」正月準備の期間だからこそ、無垢な状態で新年を迎えるために「苦(9)」の要素が特別に排除されたということなのかもしれません。

三隣亡や赤口など暦注と干支による餅つき禁忌

数字の語呂合わせ以外にも、カレンダーの端っこに書かれている干支や六曜(大安や仏滅など)といった暦注の吉凶も、餅つきには深く関わってきます。

昔の餅つきは大量の薪で火を使い、重たい臼や杵を何人かで扱うため、常に怪我や大火事の危険が伴っていました。

そこで、物理的な危険を避けるための戒めとして様々な禁忌が生まれたんですね。

火事と怪我を防ぐための先人の知恵

たとえば、十二支の「午の日(うまのひ)」や「申の日(さるのひ)」は、火が勢いを増して大火事になると恐れられてきました。

申の日には「申(猿)が餅をかき回す(せっかくの苦労を台無しにする)」なんていう面白い語呂合わせもあるそうです。

こうした日本の古い暦や六曜がどのように生活に根付いてきたのかは、公的な資料でも詳しく解説されています。

(出典:国立国会図書館『日本の暦』

また、六曜の「赤口(しゃっこう)」は、名前に「赤」が入っていることから「火」や「血(怪我)」を連想させるため不向きとされます。

さらに建築の凶日である「三隣亡(さんりんぼう)」に至っては、「この日に臼を設置して餅をつくと近隣三軒まで火事が広がる」として、絶対に避けるべき日とされていたんですよ。

ご近所トラブルを避けるための暗黙のルールでもあったんでしょうね。

大安よりも個別禁忌を優先する年中行事の作法

年末のカレンダーを見ていると、「今年は29日が大安だから、縁起がいいし餅つきをしても大丈夫かな?」と迷うことがあるかもしれません。

現代の感覚だと大安なら何でもOKな気がしちゃいますよね。

でも、昔からの言い伝えでは、お正月準備のような特別な神事においては、一般的な大安の吉兆よりも、餅つき特有のタブーを避けることが最優先されてきました。

万事に良いとされる大安であっても、「二重苦」を連想させる29日や、「一夜飾り」となって神様に葬儀と同じ慌ただしさで失礼にあたる31日は、何よりも優先して避けるのが正しいお正月の作法とされてきたんですね。

神様への敬意が一番大切だということです。

29日を福餅や福の日とする寺社の陽転実践

ここまで「29日はダメ」というお話ばかりをしてきましたが、あえてこの日をプラスに捉える地域やお寺もあるから驚きです。

「29」を「ふく(福)」と読んで、災いを福へと反転させる「福餅」の考え方です。

たとえば、山形県にある善宝寺という有名なお寺では、大晦日にお供えする鏡餅を作るために、あえて12月29日を「福の日」として設定し、大規模な餅つきを行っています。

僧侶の方々がお経を唱えながらお餅を搗き、単なる作業ではなく、新しい年の福を祈る神聖な儀式として受け継がれているんです。

悪い意味になりがちな言葉も、物事の捉え方を変えるだけでパッと明るい意味になるのは素敵ですよね。

私、こういう前向きな解釈はすごく好きです。

長崎県五島列島に伝わる共同作業と里帰りの餅

地域によっては、お餅つきが単なる家事ではなく、村全体の絆を深める一大イベントになっていたところもあります。

長崎県五島列島の久賀島では、29日を「苦のモチ」として避ける一方で、事前の準備から大勢で協力する大規模な餅つきが行われていました。

まだ真っ暗な早朝から近所の人たちが集まり、何十升ものもち米をみんなで声を掛け合いながら搗き上げるのは、とても体力と連帯感が必要な作業だったそうです。

ここで搗いた鏡餅は、結婚したばかりのお嫁さんが実家へ「里帰り」の挨拶として持参する美しい風習があったとか。

お餅を通して、家族や地域のつながりを大切にしていた温かい様子が伝わってきますね。

餅つきで9のつく日がダメな理由から学ぶ民俗と現代の備え

ここまで、餅つきで9のつく日がダメな理由や、お正月にまつわる縁起について見てきました。

後半では、お餅に込められた少し深い死生観のお話から、現代の私たちがもし「縁起の悪い日」に準備をしてしまった場合の具体的な対処法まで、生活に役立つ情報をご紹介していきたいと思います。

魂と骨の死生観を反映した四十九日餅の象徴性

お正月の話題からは少し離れますが、お餅と日本人の関わりを語る上で欠かせないのが「四十九日餅(笠餅・傘餅)」の存在です。

これを知ると、お餅がどれだけ神聖なものかよく分かります。

これは、人が亡くなってから49日目の法要でお供えされる特別なお餅のことです。

49個の小さなお餅を積み上げて、その上に平たい大きなお餅をかぶせる形が一般的です。

このお餅は、故人があの世へ旅立つときに、道中の辛い苦痛から身を守るためのクッションの役割を果たすと信じられてきました。

法要が終わった後は、上の平たいお餅を人の形に切り分けて、参列者が自分の体の悪い部分と同じ箇所を食べることで、健康を祈願するそうです。

お餅には単なる食べ物以上の、人の魂や骨といった命の根本に寄り添う力があると考えられていたのかもしれませんね。

悲劇の歴史や先稲作文化に由来する餅なし正月

さらには、お正月なのにお餅を一切食べない「餅なし正月」という風習を現在も守っている地域もあるんです。

「お正月=お餅」というイメージの私からするとびっくりですが、理由は大きく分けて3つあると言われています。

1つ目は、過去の大火事の記憶から、年末に激しく火を焚いてお餅を搗くこと自体をやめたケース。

2つ目は、戦に敗れたご先祖様が大晦日に命からがら逃げてきて、お餅を食べる余裕すらなかったという悲劇を悼むケースです。

そして3つ目がとても興味深くて、日本にお米(お餅)の文化が広く定着する前の、昔ながらの「畑作文化」を大切にしているケースです。

里芋やお団子を神聖なものとしてお供えし、大地の恵みに感謝するのだそうです。

一口にお正月と言っても、それぞれの土地にいろんな歴史が刻まれているんですね。

29日や大晦日の飾り付けを救済するお清め手順

さて、現代の忙しい生活の中では、どうしてもスケジュールが合わずに「仕事に追われていて、気づいたら12月29日や大晦日にお正月飾りを出してしまった!」なんてこともありますよね。

でも、安心してください。

リカバリーの方法はちゃんとあります。

もし31日(一夜飾り)に飾ってしまった場合は、元旦の早朝に早く起きて、清々しい空気の中でもう一度飾り直すことで、神様への誠意を示すことができるとされています。

また、飾りの近くに小皿でお塩を盛る「盛り塩」をしてお清めをすれば、不吉な語呂合わせを無力化できるとも言われているんです。

お正月が終わって飾りを処分する際も、白い布や新聞紙の上に置いて、左・右・中央の順にお塩を振ってから、新しい袋に入れて感謝の気持ちとともに手放すと良いそうです。

ルールも大事ですが、最後は丁寧な気持ちがあれば、きっと神様にも伝わるはずですよ。

現代の住環境に合わせたお餅の冷蔵と水餅保存

昔は家の中に寒い部屋がたくさんあって、そこでお餅を長期間保存できましたが、今の家は気密性が高くて暖房がしっかり効いているため、常温で置いておくとすぐにカビが生えてしまいますよね。

美味しく安全にお餅を楽しむための保存のコツも押さえておきましょう。

短期保存と長期保存の使い分け

数日〜1週間くらいの短期保存なら、空気に触れないように一つずつラップでピタッと包んで冷蔵庫へ入れるのが一番簡単です。

もう少し長く、つきたての美味しさを保ちながら保存したい場合は昔ながらの「水餅」がおすすめです。

タッパーなどの大きめの容器に冷水を張り、そこにお餅を完全に沈めて冷蔵庫に入れます。

毎日お水をキレイなものに交換すれば、空気に触れないので1ヶ月ほど長持ちしますよ。

ただし、水替えを忘れるとすぐに傷んでしまうので注意してくださいね。

硬いお餅を美味しく安全に加熱する復元技術

カチカチに硬くなってしまったお餅や、たくさんあって冷凍しておいたお餅を美味しく食べるのにも、ちょっとしたコツがあります。

硬いお餅を電子レンジで手軽に柔らかくするには、耐熱性の深めの器にお水をたっぷり入れ、そこにお餅を2〜3個ほど沈めて、ラップをせずに約90秒(500Wの場合)加熱するのがポイントです。

ラップをしてしまうと、お餅が膨らんで張り付いて扱いづらくなってしまうんです。

冷凍したお餅をお鍋で茹で戻す時は、テフロン加工のお鍋に冷水とお餅を入れて、沸騰させない程度の弱火でじっくり温めます。

お箸でツンツン触らずにじっと待っていると、中までふっくらと火が通って自然に浮かび上がってきますよ。

お雑煮などに入れる時もこの方法がおすすめです。

餅つきで9のつく日がダメな理由を理解し新年を迎える

今回は、餅つきで9のつく日がダメな理由をはじめ、お正実にまつわるちょっと不思議なタブーや縁起の良し悪しについて紐解いてきました。

「苦持ち」や「二重苦」といった言葉の響きを避ける風習には、ただの根拠のない迷信という枠を超えて、新しい年を少しでも穏やかに、そして家族みんなが健康で幸せに迎えたいという昔の人たちの切実な願いが込められているように感じますよね。

現代の私たちはライフスタイルも大きく変わり、どうしても理想通りの日にお餅つきや準備ができないことも多いと思います。

でも、そういったタブーの背景にある「神様への敬意」や「日々の糧への感謝」の気持ちを知っておくだけで、お正月を迎える心構えが少し変わってくるのではないでしょうか。

※今回ご紹介した風習や保存期間などの数値データは、あくまで一般的な目安です。

また、食品の保存や加熱については、ご家庭の環境や衛生状態によっても異なりますので、最終的なご判断は自己責任のもと、必要に応じて専門家や公式サイトなどの情報もご確認くださいね。

ぜひ、皆さんもできる範囲で縁起を担ぎながら、あたたかくて清々しいお正月を迎えていただけたらなと思います。